Vol.4 ◎O▲△

 競馬新聞を手に取って、ファンの皆様がまず見るのは◎O▲△の予想印。


◎……レースの中心となる本命馬。予想者が1着または2着になる確率が一番高いと考えている馬です。

O……2番手評価の対抗馬。

▲……クロと呼ばれることが多く、調子や展開しだいで◎やOに先着できる馬。

△……◎O▲は1頭だけに印をつけますが、△は通常3〜5頭。1着の可能性は低くても2着か3着なら、という馬です。


 レースによって印の意味合いが若干変わるとはいえ、だいたいこんなところでしょう。


 微妙に印が違うことはありますが、関東の競馬新聞の場合、期待の高さの順番は◎O▲△でほぼ統一されています。競輪新聞だと、順番が◎O×△▲がという社もありますね。


 的中と呼んでいるのは、馬連(1着馬、2着馬の組み合わせを当てる馬券)の場合、1着2着が◎O、◎▲、◎△、O▲の4種類。1着と2着が逆でも馬連は的中ですから、1着△2着◎でも当たりと見なします。△が4つだと◎△は4通りあり、全部で7点予想になります。馬連の総組み合わせは16頭立ての際は(16×15)÷2=120通りで、その中から7点を選び出した形。単なる番号くじなら、的中確率は7÷120=約5.8%になります。

 馬連の当たり外れを年間集計したものが下の表です。何とか当てようと努力しても、レース的中率はトータルで40%あれば上々。◎の連対率(2着以内に入る率)も、なかなか50%まで届きません。

 な〜んだ、その程度か、と思われるかもしれませんが、言い訳ではなく、どう考えても当たらないレースが2割ほどある印象。一方、誰が予想しても当たるレースがやはり2割ぐらいあって、残りの6割のレースで“勝負”というのが実感です。6割のうち1/3当たれば全体のレース的中率は40%。打率.333は、野球なら首位打者争いですね。


 もっとも、中には例外もいます。確率は低くなっても、穴馬を狙い続けて高配当を仕留めるのがスタイルの記者。表だと上から2番目の予想者が該当します。


 レース的中率19.46%は15人の記者の中で最下位。14位の記者が27.37%ですから、際立って低いことが分かります。しかし、長打率(馬連3000円以上が的中)は13.35%で断然のトップ。つまり、的中レースのうち7割近くが馬連3000円以上です。土日で32レース予想するとして、平均で6レースしか当たりませんが、うち4レースは馬連7点を均等買いして700円が3000円以上(7000円なら30000円以上)に増える的中という計算になります。


 この予想者は弊社の久保木正則。日刊競馬(中央競馬版)の馬柱予想の上から4番目。美浦南馬場の時計班(調教時計を計測する記者)です。明らかに他の記者と違う個性的な予想。的中する予想に便乗すれば……。それがどのレースなのか本人にも分からないところが難点ですが、注目してみてください。

2014年1月19日
1回京都7日目12R
1着△セイラ(2番人気)、2着◎キクノグラード(11番人気)
馬連12-14 13820円的中


田所 直喜(たどころ・なおき)

1964年(昭和39年)6月10日生まれ。東京都国分寺市出身、妻と2人暮らしで今も在住。

海城学園は高校の3年間で、1983年(昭和58年)卒業。1年の担任は長島先生。2~3年は文Bコースで河原先生。

東京学芸大学教育学部国語科を卒業と同時に、1989年(平成元年)、(株)日刊競馬新聞社入社。以来、中央競馬担当の編集記者として活動。

現在、編集部中央課課長、採用担当責任者。