Vol.10 取材記者の情報

 8月11〜16日は大井競馬(夜間)が6日間連続で行われます。今開催の呼び物は重賞の第48回黒潮盃(3歳限定戦、1800m)で、13日の水曜日。海原メディア会の皆様が、舞馬亭(M後輩行きつけの食堂で席は予約済み)とプラネットルーム(コース全体が一望できる特別室)に陣取って観戦される当日です。

 

 そこで、改めて競馬新聞の読み方を……いえ、堅苦しいことは書きません。大井前開催の8月1日、珍しい紙面になったのでご紹介いたします。

 

 弊社、日刊競馬の大井競馬取材記者は3名。取材歴40年の高橋光男、中堅からベテランの域に入った大平(おおだいら)誠、前回コラムで載せた入社8年目の市川俊吾。役割を分担して、様々な角度から取材を積み重ねていますが、その3人の自信の本命印がメインの第7レース(立会川駅前通り繁栄会りょうくん特別)で一致しました。二重丸の内側が黒くなっていますね。通称、ドンマーク。結構、目立ちます。

 ディチュウ(3歳牡、佐野謙二厩舎)。園田競馬から転入してきた馬で、大井では6戦目になります。転入後は未勝利ですが、重賞に駒を進めるなど、これから強くなる気配がある3歳馬。格付けはB3(B2の下、C1の上)で、中央競馬なら500万条件(格付けされた中で最下級)あたりに該当します。能力と将来性からは、もっと上で活躍できそうな素材。このクラスなら、どこかで狙いたくなる馬です。

 

 とはいえ、レースは相手しだい。ディチュウの横の枠に入ったメリーウェザー(4歳牝、村上頼章厩舎)は中央競馬から転入してきたスピード馬で、単勝(1着で払い戻しの馬券)は1番人気に推されていました。弊社本紙予想も本命◎で、これは妥当でしょう。一方、ディチュウは歴戦の4〜5歳馬相手で少し分が悪いと思われたのか、単勝は13頭立ての6番人気止まり。本紙予想は現場取材陣の意見を尊重して▲(3番手評価)でした。

 これは妙味、1番人気と6番人気で好配当。普通はそう考えるのでしょうが、同じ会社の記者として私はダメだった時のことを想像してしまいます。「現場3人がそろってコラムで推奨しておいて馬券に絡まなかったら、ちょっとマズい」。弊紙、大井競馬場の場内シェアは一番。影響力があるだけに、外れることも多々ある予想とはいえ、ファンの方に信頼されないといけない立場です。少し緊張しました。

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 結果、ディチュウはメリーウェザーの2着を確保。複勝(3着までに入れば払い戻しの馬券)は290円。馬複(1、2着の組み合わせを当てると払い戻しの馬券)は1530円。いや〜、正直ホッとしました。手前味噌ながらウチの取材陣、見るべきところをちゃんと見ていましたね。

 黒潮盃で1番人気になると思われる馬は、ディチュウと同じ佐野謙二厩舎所属、スマイルピース。東京ダービー2着馬で、ここを勝てば初重賞制覇となります。さて、現場トリオはどんな印とコラムの扱いになりますか。追い切り(レース前の最終調整)は9日(土曜)の午前6時20分から。私、自分の担当は中央競馬で土曜日は中央日曜版の発行日でしたが、出社前の早朝、(馬券対策を兼ねて)独自取材をしてきました。

 

 調教を見て(1000m61秒3=好タイム)、厩舎で担当厩務員とも話をしました。陣営、気合が入っていましたよ。


田所 直喜(たどころ・なおき)

1964年(昭和39年)6月10日生まれ。東京都国分寺市出身、妻と2人暮らしで今も在住。

海城学園は高校の3年間で、1983年(昭和58年)卒業。1年の担任は長島先生。2~3年は文Bコースで河原先生。

東京学芸大学教育学部国語科を卒業と同時に、1989年(平成元年)、(株)日刊競馬新聞社入社。以来、中央競馬担当の編集記者として活動。

現在、編集部中央課課長、採用担当責任者。