Vol.1 もう一つのレース
競馬新聞を読んだことがありますか?
徳光和夫先輩には弊紙を熟読していただいておりますが、競馬に興味のない方は知らなくていい暗号だらけの印刷物。
しかし、サラブレッドが走っていても、走らせているのと馬券を買っているのは人間。案外、皆様のお役に立てる話があるかもしれません。
専門業者がどこを見て何を考えているのか、少しずつ書いていきます。
10月14日に東京競馬場で行われた府中牝馬ステークスの紙面。私は「レース展開図・展開文章」「データ欄」を担当していて、準備用の資料はこんな感じでした。
マジックで書いてある数字はコンピューター入力用の「予定の番号」。馬名横の赤線は馬の走る予想位置、下に書いてある数字はデータ項目別の順位。これらが枠順の発表と同時にレース用の馬番に変換され、瞬く間に紙面が完成するというわけです。
最後は単なる番号にするとはいえ、新聞発行当日までいろいろ情報を集めて、多角的に考えます。逃げるのはドナウブルーかコスモネモシンかで迷いました。
結局、実際の展開は紙面と逆の形になりましたが、ペースの読みも含めて、ファンの方に納得していただけたと思っています。本紙予想も11→13→3で的中。3連単は54030円でした。
勝ったのは5歳馬のホエールキャプチャ。単勝は4番人気でした。3歳時はGI(最高格の重賞レース)で再三好走。人気面でも中心馬かそれに近い扱いが多かったのですが、安定して走らなくなった4歳以降は、1回も1番人気になっていません。2着の前々走(GI)は18頭立てで何と12番人気。
1着を当てる単勝馬券の売り上げ順位である“人気”はファンが決めるもの。そう、実戦が始まる前に、すでに架空のレースが行われているのです。これをどう読むか……株式投資みたいですね。次回は、過去の人気から狙える馬券の買い方(初心者向き)を紹介します。
田所 直喜(たどころ・なおき)
1964年(昭和39年)6月10日生まれ。東京都国分寺市出身、妻と2人暮らしで今も在住。
海城学園は高校の3年間で、1983年(昭和58年)卒業。1年の担任は長島先生。2~3年は文Bコースで河原先生。
東京学芸大学教育学部国語科を卒業と同時に、1989年(平成元年)、(株)日刊競馬新聞社入社。以来、中央競馬担当の編集記者として活動。
現在、編集部中央課課長、採用担当責任者。